僕が民主党に期待していたことまとめ(前半)

 鳩山総理が辞任して菅新総理が政権に就いた。


 節目であるこの時期にこれまでの政治を振り返っておきたい。対象は小泉・安倍・福田・麻生の9年間+鳩山政権である。


 バブルが崩壊するまで日本は世界の中でも希有な成長を遂げた国であり,概ね国民も満足していたと思われる。バブル崩壊後は自民党にその状況を変えていく力がないことが明るみなっていったが,小泉が過去の自民党を改革していくと宣言したために,一度自民党に託そうという気持ちになった。だから,まず小泉政権の行ったことを起点に,どのように自民党政治に失望し,鳩山政権に期待し,何を裏切られたのかを記しておこうと思う。


 小泉政権の実績の主なものは,竹中大臣の日誌に詳しい。郵政民営化,りそな救済(不良債権処理)の2つだ。どちらも評価できることだと思う。


 郵政については分からないことも多々あるが,ゆうちょ銀行の預金が日本の国債と放漫財政の一翼を担っている要素であることに違いはない。
結果論だが,このような大きな資金を海外の成長分野に投資できていれば,大きなリターンを得,財政改善にも寄与したはずである。

 であるから,この点について鳩山政権が超少数派の国民新党と連立し歯車を逆回しにしたことは私の中では不合理であり,大きなマイナスイメージだ。


 次に安倍政権だ。安倍政権の実績の主なものは大きく3つと捉えている。社保庁解体,NSCや対北朝鮮強硬外交や教育基本法改正や防衛庁昇格など,公務員制度改革の準備である。


 社保庁解体はそれが良かったのかどうかはややこしすぎて私には判断がつかなかった。公務員制度改革は,改革すべきところがずれている印象を受けた。僕は公的に必要な仕事も数多くあると思う。もちろん必要ない仕事もある。だから仕事を組み替えるような改革をしてほしかった。意味のない屁理屈で出来ている仕事,特別会計の無駄にこそ切り込んで欲しかった。
 何より教育基本法改正の際に感じた,他国を相対的に蔑むことで自分たちのプライドを保ち,日本の課題を愛国心のようなもので克服できるかのようなスタンスと,それにこだわる姿勢にはかなり強い違和感を感じた。


 確かに鳩山政権崩壊のきっかけの一つである普天間問題の本質の一因に,自国の防衛をアメリカに依存し,アメリカにものを言えない体質は大きいと思う。日本は平和ぼけしており,スパイ天国になっているとするならばそれも気持ちの良いことではない。軍事については分からないことも数多いが,それでも過去の戦争を振り返るときに,極端に自虐的な歴史観もとりたくない一方で,全く悪くないというような極端な歴史観にも与したくはない。軍事政策は平和とアメリカに頼り切る姿勢からの脱却を目指しリアリストとしてクールかつドライに進めてもらいたい。


 次に福田内閣道路特定財源一般財源化,消費者庁創設。特にコメントはない。強いて言えば,ぱっとしないというところか。