”いじめに対する担任の責任”を考えるために

体罰論…というか,どう見ても皮肉(こころはどこに行くのか)
http://d.hatena.ne.jp/jo_30/20090916/1253110225
を読んで,疑問に思ったことをコメント欄へ質問をさせていただいた。

そのコメントに対して回答を頂き,私はいじめと体罰について考察をしていこうと考えた。体罰については上記ブログ内のコメント欄で意見を表明させて頂いたが,いじめについては自分のブログで考察を行うことにした。

そうはいっても,なかなか記事を書こうという気持ちにはなれなかった。それにはいくつか理由があるが,特に大きな理由としては,脳内でいくつか考えを広げていったときに,あまりにも多方面に考えが発散していくために考えがまとまっていかないという感覚になることが大きかった。

そもそも,上記ブログ記事の中でjo_30さんが述べられていることは体罰に関することであり,そこに私がいじめという要素を絡めてコメントをしてしまい話が複雑になってしまった経緯がある。だからこのいじめに関する記事は,jo_30さんへの応答の約束でもあるが,その側面より自分の考えの整理の側面の方が強いと思っている。それくらい話が広がっていく(長くなる)可能性があるのと,それにお付き合いいただくのは虫が良すぎるかなという思いがある。


そう言うわけで,本当は一つの記事だけで完結させたかったのだがそれはあきらめて,いくつかの記事に分けて考えていこうと思う。ここから派生していく記事の内容はチラ裏レベルかもしれない。あらかじめお詫びしておきたい。

前置きが長くなったが,今回はいじめについて考察する前提として,リンク先のやりとりで,いじめに関して私が抱いた疑問を列記していく。


1.担任が担任としての責任を果たし得なかったとして,その際担任は何かしらのペナルティを受け取ることは必須であるのか。おそらく一教師の対応力だけでは対処しきれない事態というのは起こり得,かつ周囲の批判にさらされる可能性もある。その際に,くそ真面目な教師ほど責任を自分に押しつけノイローゼになったり,無力感に打ちひしがれ職場を去る可能性はないだろうか。そうしたときに,その教師は真に問題教師にカテゴライズされる存在なのだろうか。不的確教師というのは,その様な自己を振り返るための問題意識すら持たずに明らかに社会的な道義にそぐわない(例えば特定の政治信条やカルト宗教を生徒に広げていこうとする)存在のことを指すのではないだろうか。もしそうであったとしたときに,スキル不足ではあるだろうが良心はある若手を失うことは社会にとってマイナスではないのだろうか。

2.責任とは,ある負の事柄が起きたとして,その原因が自分にありかつ自分の行為次第でその事柄が起きないようにできる可能性が十分にあるときにこそ追求されるべきものではないのだろうか。自分の力の及ばないところに原因があったとき,もしくは自分に十分な権限が備わっていない状態で責任を求められるのはいささか理不尽なのではないだろうか。

3.いじめに対して,いじめを行った生徒に罰を与える”警察的対応”は行う必要はあるのか,それとも必要ないものなのか。反社会的な行動を行ったものに対して教師は,それがいけないことであることをどのようにメッセージとして発信すればよいのか,それとも発信する必要はないのか。

4.教育委員会はその対応によってマスコミの批判を受ける圧力にさらされているが,そのマスコミの批判が不当である場合,それを効果的に訴えるカードを持ち合わせているだろうか。マスコミの攻撃力は決して弱くはない。それに遜色なく対抗するためにどのような力を備えるべきなのか。根性や腹を据えるだけで対決が可能なのか。マスコミは相対的に政治的強者ではないだろうか,それとも対等な関係であるといえるのか。

5.いじめと大きく関わりのある「陰口」は絶対悪であると言い切れるか。陰口をゼロにすることは可能か。またその様な努力をすることに果たして本当に大きなプラスの意味が期待できるだろうか。

6.いじめの本質として,それは自殺ゲームと共通するものがある(再びいじめについて少し書いてみる〜こころはどこに行くのかhttp://d.hatena.ne.jp/jo_30/searchdiary?word=%2a%5b%a4%a4%a4%b8%a4%e1%5d)という考えに対して,いじめられる側に明らかに非があり,しかしいじめられてしまったことは事実で,被害者が自分の非に対しては何ら罪の意識を抱いておらず,自分たちを絶対的な被害者であると主張し一方的な謝罪以外の一切を拒絶する場合,どうすればいいのか。

7.以上のようなことを一つ一つ詳細に考えることは,果たしてプラスの意味を持ち得るのか。(問いの立て方,疑問の内容がナンセンスなものがあるのではないか。)